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  マデシの定義
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 No.070121235201340992.1.1.1.1.1.1    07/01/25(Thu) 22:05   by  野崎泰志 [変更] [削除]
【 歴史と民族と役者たち 】への返信

 手近なところに文献があったので、ご紹介しておきます。


パハディとマデシの区分
 人口集団を大きく分ける分類法に、<パハディ>と<マデシ>というものがある。<パハディ>とは「山間部(パハド)に住む者」という意味で、古くから山間部(山岳部および丘陵部)に住んでいたエスニック集団や、後になって移住してきた丘陵部のバフン(「ブラーマン」に相当するネパール語)、チェトリ(「クシャトリア」に相当するネパール語)や職業カーストを含む。全人口の67.8%を占めるが、実際に山間部に住んでいるのはこれより少なく、タライの開墾とともに山間部から移住した人々も多い。したがって、<パハディ>とは正確には「山間部の出自集団に属するもの」ということである。それに対するものは<マデシ>であり、「マデシュ(パハディたちから見てタライまたはインドをさす)に住む者」という意味で、より正確には「タライ平原部の出自集団に属する者」を指す。<マデシ>は、古くから住んでいたタルーなどのエスニック集団および近年インドから移住してきたカースト集団やその他の集団(モスリム、シク、マルワリなど)からなり、全人口の32.1%を占める。

パハディ(67.8%):(1)エスニック集団(27.5%):チベット・ビルマ語派
          マガル、ネワール、タマン、ライ、グルン、リンブ、
          シェルパ、その他。
          (2)カースト集団(40.3%):インド・アーリヤ語派
          チェトリ、バフン、職業カースト(ダリット)
マデシ(32.1%): (3)エスニック集団(9.0%):インド・アーリヤ語派
           タルー、ラージバンシ、サタール、ディマールなど。
          (4)カースト集団(15.9%):インド・アーリヤ語派
           ヤダブ、ブラーミン、クシャトリヤ、カルワール、
           ムシャハル等(不可触カースト、ダリット)
          (5)その他(7.2%):インド・アーリヤ語派
           ムスリム、シク、マルワリなど
                (図表から要約、引用者)

畠博之、「2−1−2 ネパールの人口集団の区分とその人口構成、第2章ネパールのカースト制度と被抑圧集団」『ネパールの被抑圧者集団の教育問題―タライ地方のダリットとエスニック・マイノリティ集団の学習阻害/促進要因をめぐって』pp.24-25、(2004年12月、神戸大学大学院博士請求論文)


<マデシ>(タライ平野出身者)の視点から
 <マデシ>と呼ばれるタライ平原の人々にとっては、この国の差別的な支配者集団は、パルバティ・ヒンドゥーであろうとジャナジャーティ(エスニック集団)であろうと、それは一般に<パハディ>(山地出身者)であるという。統一国家ネパールの支配者は、その国家と国民のイメージを常に山地のヒンドゥー教徒をもとに形作ってきた。プリトゥビ・ナラヤン・シャハ王が統一国家ネパールを「アサル・ヒンドゥスタン(真のヒンドゥーの土地)」と呼んだのも、ムスリム(ムガル)やキリスト教(イギリス)に汚されたヒンドゥスタンとの差異を強調し、山地のヒンドゥー教徒の正統性を主張したものである。それ以来、「ヒンドゥー王国」や「ネパールらしさ(Nepaliness)」は山地のヒンドゥー教徒の人々の特徴をもとに形作られた。そしてそれに欠ける平原部の人々は、山地の支配者や大衆からもその愛国心を疑われ、彼らは二級市民の地位に落としこめられていると感じている。ネパール政府によるパハディ(山地出身者)のタライ平原部への積極的な移住奨励も、<マデシ>にとっての<パハディ>に対する不信感の源である。現在タライの人口の35〜40%を<パハディ>が占め、タライ先住のエスニック集団やヒンドゥスタン平原に起源を持つカースト集団との間に緊張感が見られるという。                        (同p59)