1991年、PKO法が議論されていたころ、匿名の自衛隊幹部は以下のように発言していました。これが制服組の本音のようですね。当時は、戦闘が始まったら発砲できるのか、撤収できるのかが一番の争点だったのです。 「例えば、維持軍が検問を突破された時、他国の部隊なら威嚇射撃ぐらいはする。日本の部隊は、停戦が崩れたかもしれないからと、撤収の伺いを立てなければならない。相手は常に弱い所を狙うから、すぐ撤収する日本は、狙われやすい」 「武器を使うのは切羽詰まった状況だ。法律好きが『生命等防護のため』を頭の中で区別しようとしても無理。正当防衛でも、武器を使えば仕返しされる。できるだけ使いたくないが、現場に行った以上、危険な場面では、すべて生命等防護のためと割り切るしかない。一緒に任務に就いている他国の部隊が攻撃された時、自衛隊が逃げ出したら笑いものだ」 「首相は、弾が飛んで来るような所には出さないと言うが、それなら維持軍はいらない。過去に多数の犠牲者が出ている事実は重い。自衛官は命がけで行く。本当に安全なら外務省の職員が行けばいい」(朝日) 今のネパールの状況では、発砲も撤収も何もなく「本当に安全」で、PKOですらなく、武器も制服もいらないのですから、本当に喜んで行く自衛官はあまりいないでしょう。