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  Re1: 小倉著「ネパール王制解体」を見て
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 No.070225120231881794.1    07/02/27(Tue) 02:12   by  武蔵野のO [変更] [削除]
【 小倉著「ネパール王制解体」を見て 】への返信

せっかち批評家の谷川氏らしい「ネパール王制解体」を\"見て”のご批評だが、氏自身も最後に述べられているように、真価はまさに、マオイストの発生から06年の「四月革命」に至りさらにその後までを見据えた視線そのもにあるのではないでしょうか。

私なんぞは、高田馬場の書店で手に入れるや、ページをめくるももどかしく読みふけったので、いまだに書店のカバーつきで、カバーも帯のキャッチコピーさえ見ていません。

さて、小倉清子さんの今回の作品、先の「王国を揺るがした60日」と比べて、はるかに優れた一作だと思います。「揺るがした60日」が後追いの集積であったがゆえに、90年直後に出版されたThomas Bonk編纂の「Nepal Struggle for Democracy」など比べると、臨場感に欠けるものがあった。その点で本書は渦中自らマオイストの拠点に入り込み、いかにしてマオイストが生まれ、そして強化・拡大していったかを解き明かした名著だとおもうのです。
エドガースノーの「中国の紅い星」やジョンリードの「世界を震撼させた10日間」にも比肩しうるものではないでしょうか。(少々ほめすぎか?)

勿論、シャハ王朝の発生からギャネンドラにいたるまでの王制史にも触れているし、それはネパール史に疎い読者にとって背景を知りうるよい解説書ともなっている。その中で論述される「絶対王政」も谷川氏には論駁すべきところなのかもしれませんが・・・
「2006年の『四月革命』は・・・・ネパール歴史上『最大のイベント』だった。・・・人々の反感は、ネパール社会にいまだに残る封建主義的な体制やヒンドゥー教に基づく様々な差別の根源である王制にむかっていった・・・」という著者の言辞を、我らが谷川氏はどのように評価されるのでしょうか。

私事になるので恐縮ですが、ネパールと何らかのかかわりを持とうとする者にとって、マオイストはもはや彼岸のかなたから眺めているだけで済まされるものではなく、政治・社会の一大潮流として把握しなければ、経済的な活動すら危ぶまれると思っています。
まさに絶対的な王権を振りかざした2005年2月1日の「国王のクー」による通信遮断は、IT・インターネット通信をもって、日本とネパールとの間の事業展開を始めていた私たちにとっては、大打撃でした。通信・往来の自由を認めない制度の元では私たちの事業活動は成り立たず、そのような意味でも、新ネパールの政治制度がいかなるものになるのか。マオイストが方策を以て臨もうとしているのか、大いに気がかりなのです。ネパール共産党毛沢東主義派の持つフレキシビリティにこそ、期待を寄せたいと本書を読んで思うのでした。