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紛糾すると登場するのが最長老KP・バラライ氏。いまのネパール政界への直接的影響力はないであろうが,コングレス創設メンバーにして90年憲法制定時の首相。重みはある。引退されたものと思っていたら,訪印し,インタビュー(2/28)まで受けているから,まだまだお元気なのだろう。コイララ首相といい,ネパールの長老政治家は神がかり的に元気だ。
そのバタライ氏が,国王に,政治権力と財産を放棄し立憲君主となるべきだ,と忠告されている。私も,その通りと思う。国王が自ら政治権力と王室財産の完全放棄宣言をすれば,まだ国王は象徴として存続する余地は残っている。
しかし,残念なことに,現国王にも側近にも,その気がないようだ。2月19日の国王声明を見ても,まだまだ未練たっぷり,巻き返しクーデターをねらっている,と疑われても仕方ない。いまの混乱が続けば,たしかにクーデターの目は出てくる。国王はそれを待っているのではないか? マオイストが,即刻,共和制宣言をせよと強硬に主張する根拠はそこにある。
たしかに,国王軍事クーデターになるくらいなら,共和制の方がまだましだ。むろん,共和制を選択すると,しばらくは混乱が続き,平和実現までにかなりの犠牲を強いられる可能性が高い。それでも,二者択一なら,保守の私ですら共和制を選択するし,世界世論もそれを支持するだろう。
しかし,もし第三の可能性があるとしたら? バタライ氏の提案は立憲君主制により,そのような極端な二者択一を回避せよ,という忠告だ。さすが,長老。政治的叡知にあふれている。国王はいまこそ,国民のため,そしてなによりも国王自身のために,忠良なる臣バタライ翁の助言に耳を傾けるべきだ。
しかし,万が一,国王が助言を入れないときは,どうすべきか? これは一外国人の想像にすぎないが,おそらくネパールの忠良なる君側の臣は,王制を守るため象徴国王となりうる人物(子供でもよい)を王位につける努力をするだろう。それが忠君愛国というものだ。
忠臣バタライ翁の助言が聞き入れられるなら,ネパール王制は救われる。耳をふさぐようなら,王制はこれでおしまい。
* Bhattarai for cutting off King\\\'s power, Rising Nepal, Feb.28
「世俗断念が王制存続の条件」2006.8.7
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