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  マオイストとネパール政治マンダラ
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 No.070327000652237007    07/03/27(Tue) 00:06   by  tanigawa [変更] [削除]
3月25、バサンタプル(旧王宮)広場で開催された某政党系「人民SAARC」全体集会に参加した。内容は米帝粉砕!、アグリ多国籍企業の生命搾取糾弾!と至極もっともだが、上滑り気味で、怒りが十分に内面化されているようには感じられない。

これはネパールの政治家、知識人の多くに共通する傾向で、主義主張が自分の生き方になっておらず、たとえば民族言語・文化の死守を唱える人々が自分の子供は英語学校に通わせ、母語はおろかネパール語ですら十分には読み書きできないようにしてしまっていることも少なくない。生活のために仕方ない面もあるが、近代化はこのような精神の二重生活は許さない。近代化は結構つらいことなのだ。

その観点から見て興味深かったのが「人民SAARC」会場に出ていた本、パンフレット即売露天。アッパレ! つい先日まで殺しあっていた某政党系大会というのに、プラチャンダ本、プラチャンダ・カレンダー、マオイスト万歳本の大洪水。マオマオ、プラプラで頭がクラクラ。

お隣はクマリ館、仏教の生き神様が見ている。地獄に落ちるぞ。向かいは旧王宮。ヒンズーの神々が見ている。ケガラワシイことだ。仏教とヒンズーの神々の前で、罰当たりなことだ。

旧王宮からはテッポウを構えた警備兵がにらんでいるし、旧王宮内警察署からは武装警官(兵隊みたいなもの)満載の軍用車が米帝粉砕集会とマオイスト・プラチャンダ万歳即売露天のすぐ側を通って出動していく。これぞネパール政治マンダラ。お見事!

マオイスト・プラチャンダ満載露天のスゴさは、その品揃え。なんと、ヒトラー、スターリンからマルクス、レーニン、毛沢東、そしてなぜかビレンドラ国王まである。アッパレ、アッパレ!

つまり、プラチャンダ議長がいま一番人気で、クマリやヒンズーの神々を圧倒しているが、それは要するにヒトラーや故国王などと並べて売ってもよいもの、ということなのだ。しかも、敵対関係にある某共産党系集会(ひな壇中央には党首鎮座)だ。もし私がクマリかヒンズーの神々の召使なら、あるいは某共産党の党員なら、こんな罰当たりなマオマオ・プラプラ露天をたたき出し、マオ本、プラ本、ヒトラー本等々をかき集め、焚書にしてしまうにちがいない。

しかし、ネパール政治マンダラの世界ではそうはならない。プラチャンダ議長は、人民政府軍を率いて悪魔軍と戦い、勝利し、いまやビシュヌ神の化身といってもよい存在となり、クマリとヒンズーの神々の前で人々の賞賛を一身に浴びている。殺し合いをしてきた某共産党の党首でさえ、自分の威光を示すはずの集会でプラチャンダ神がブロマイドとなりカレンダーとなって集会参加者に売られているのを容認しているのだ(私ももちろん買った)。

これがネパール政治マンダラの世界だ。欧米人や日本人の理解をはるかに超えている。神秘といわざるを得ない。