先般、ロータート郡のゴールで起きた事件で、マオイスト側に多数の犠牲者が出た。あの調査報告を読んだが、周到な襲撃であった。 襲撃グループの大半の20数人はインドから雇われて来た、プロのテロ集団であるとされている。ゴールの人間で襲撃に参加した数名は、地元の人々によって氏名まで特定されているのだ。報告の中で、インドで1500万ルピー(たぶんネパールルピー)も払えば、どんな選挙でも勝てる、というような話があった。相手側陣営をプロの人間を使ってテロでつぶすのだ。今回のゴール虐殺は、このメカニズムが作動している。誰が金を払ったのか。 金さえ払えば政治的暗殺も堂々と行われる社会がそこにある。 かつて、日本人の僧侶がルンビニでヒンズー原理主義者によって殺害された。あの頃のうわさでは、人一人暗殺するにには2万ルピーという相場があると聞いた。 しかし、そういう政治的後進国を非難できないのが、今の日本でもあると思う。 長崎市長という、日本が世界に示して来た良識の礎の一つが破壊された。日本も人後に劣らず野蛮な国であることを満天下に晒したようなものだ。ご冥福を祈りたい。