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  キス禁止令,ネパール性タブーの逆襲
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 No.070628200537159041.1    07/07/01(Sun) 12:22   by  tanigawa [変更] [削除]
【 比較性治学―ネパール・西欧・日本 】への返信

AFP(6/30)によると,ダルバール広場保存計画委員会は6月28日,「宗教に対する尊厳」を理由に広場でのキス禁止警告を発した。

「宮殿や寺院で囲まれたダルバール広場では,カップルは抱き合ったりキスをすることは控えるべきだ。」

委員会は,禁止掲示を出したが,すぐはがされたので――

「やめさせるためにカップルの写真を撮り,公開することを計画している」

見よ,これぞネパール性タブーの神髄。48手どころか奇想天外なエゲツナイ性交像が無数に公開陳列されている寺院の軒下で,生身の男女がちょっとキスしただけで,「写真に撮り公開する」という。これは面白い。ぜひ,実行してもらいたい。

古来の神聖な性交彫刻を彫りつけた頬杖の1,2m下の壁面に,現代カップルのキス写真を展示公開する。これは見物だ。

な〜んだ,同じじゃないか! もっと派手にやろう。若者なら,きっとそう思うだろう。ヒンズー原理主義者たちが,イヤ,寺院の全裸男女性交像は神聖だが現代の着衣男女キスはワイセツだ,なんていってみても,まぁ,説得力はないだろう。アナクロ安倍首相の『美しい国へ』より少しましなくらいだ。

問題の核心は,性の神聖と性のワイセツの,この紙一重の差にある。一切を創造し,一切を破壊する神聖にして危険な性の二面性。文化は,結局,この性をいかに飼い慣らすかの試行錯誤の歴史といってよい。

西欧諸国は,処女崇拝という倒錯的性タブーを,金儲け(資本主義)を代替物にすることにより徐々に解除していった。性の魅力に対抗しうるのは,金と権力。いずれも被搾取者,被抑圧者が必要なので簡単ではないが,西欧諸国はそれらに成功。めでたく性タブーの解除に成功したのだ。

しかし,金も権力もまがいもの,真に価値あるものは何も創造しない。西欧も日本も性タブーの遺産を食いつぶし,「生きる力」を失い,早晩,衰退していくだろう。これは自業自得であり,仕方ない。

危ないのは,ネパール。神聖な性交像と猥褻なキスとの間の間一髪の差を,性タブー以外の何で埋めていくか? 金儲けも権力も,当面は望み薄。利用可能な代替物はない。それでも,先進諸国のワイセツ文化は容赦なく押し寄せてくる。どうするのか?

可能性大なのは,ヒンズー原理主義の復活。「ダルバール広場キス禁止令」はその手始めだ。

もう一つは,いわずとしれたマオイスト。革命戦争動員には,性抑圧は不可欠だから,どこの革命運動でも性規範は重視され,性取締機関が発達した。いまのところネパール・マオイストはヒンズー教性タブーに依存しており,本格的な性取締機関は設置していないようだ。しかし,今後急速に性タブーが弛緩していけば,必ず性道徳キャンペーンをはじめる。禁酒キャンペーンと同じことだ。同志が,恋愛沙汰や酒に惑わされたら,革命にならないからだ。

さて,ネパールはどうするか? 頬杖の神聖な性交像とその下の猥褻キス。あるいは,美術館・博物館展示の性交図と鑑賞する仲良し猥褻カップル。これは深刻な悲喜劇といわざるを得ないだろう。