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  パルバティ同志,ヒシラ・ヤミ(2a)
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 No.070707153549480838    07/07/07(Sat) 15:35   by  tanigawa [変更] [削除]
パルバティ同志(パ同志)はやはり面白い。正直いって,これまでマオイストのものはほとんど読んでいない。2,3行読むと,たいてい寝てしまう。パ同志も同じかと思っていたが,さすが山の神,かなり自由に発言しており,本音がちらちら見え,眠気覚ましになる。勇敢プラチャンダ同志の「マルクスいわく」式の無味乾燥プロパガンダよりも,はるかに人間的だ。がんばれ,パ同志!

というわけで,最近のパ同志の文章を読んでみることにした。読みながら書いているので,重複,誤読,脱落があるかも知れない。ご指摘いただき,後で訂正します。

Hisila Yami, \"Ten Years of People\'s War and the Question of Women\'s liberation,\"2006, in People\'s war and Women\'s Liberation in Nepal, Purvaiya Prakashan, 2006


1.階級闘争による宗教,民族そして女性の解放
パルバティ同志によれば,いま世界中で帝国主義に対する闘いが起きているのに,「科学的方向付け」ができていないため,それらは宗教紛争,民族紛争,地域紛争の形をとっている。そして,これらの紛争では,つねに女性が最大の犠牲者だった。というのも,それらの紛争においては,女性を守るという名目で,女性が中世的抑圧の下に押し込められてきたからだ。

しかし,ネパールは違う。ネパールでは,宗教もナショナリティ(民族)も地域もジェンダーも区別しないプロレタリア階級が,階級闘争として解放闘争を戦っているからだ。

宗教,人種,カースト,ナショナリティ(民族),ジェンダーの対立は,それらに基づく運動を階級闘争に統合することによってのみ除去できる。そして,女性が本当に解放されるのも,この階級闘争によってのみである。ネパールでは,まさにこれがいま起こっているのである。

ネパールでは,階級闘争の結果,80%の地域が解放され,地域自治,ナショナリティ(民族)自治が実現している。そして,そうした地域では,女性が大きな権利を享受している。これは女性の解放が階級,ダリット,ナショナリティ(民族),地域の解放と深く結びついていることをよく示している。レーニンも,国の発展は女性の地位により判定されるといっている。

「この観点から,人民戦争10年の成果は,女性たちがこの10年間で特に党,人民解放軍そして新しい国家において,何を達成したかによって判定できる」(p2).

――感動的な明晰さ。宗教,民族,地域,ジェンダー等々を理由とする闘いは,階級闘争に統合され闘われることにより解決され,その階級闘争の成果は女性解放の程度により評価され,さらにその女性解放は党,人民解放軍,マオイスト政府への女性参加の程度によって判定される。

あまりにも明快すぎて,本当かなぁ,とマユにツバしたくなるくらいだ。階級は民族に完敗したのではなかったかな? 階級とジェンダーは別だとフェミニストが怒っていたのではなかったかな? たしか,そんなこともあったはずだが,山の神は,そんなことは歯牙にもかけない。パ同志の主張は一貫している。すべての闘争エネルギーを階級闘争に統合し,これにより女性を解放し,そして女性(パ同志を筆頭に)を党,軍,政府の要職に押し上げること。

小気味よい明快な野心。それを平然と語れるパ同志は立派であり,私は好きだ。尊敬に値する。

2.女性登用による党浄化
パルバティ同志は,以上の議論に基づき,大胆にも女性登用による党浄化を訴える。某国の民族浄化は醜悪だったが,そんなことは気にもかけず,パ同志は神の無慈悲をもって党(男?)浄化を宣言する。えらい!

パ同志によれば,人民戦争以前は,女性は党活動において重要な役割を果たしていなかった。
 ・夫=フルタイム党活動  妻=夫の支援,手伝いとしての党活動
 ・父=   〃      母=父の支援,   〃
 ・兄弟=  〃      姉妹=兄弟の支援, 〃
つまり,党においても,男性の党活動を背後から支援するのが理想の女性とされていた。また,独身の時は要職にあった女性も,結婚により党活動のレベルを下げていくのが一般的だった。

しかし,パ同志は,マオイスト内にさえあったこの女性観を断固拒否する。女性は歴史上,最初に支配服従させられ,そして最後に解放される存在だ。女性は,長い間苦しい抑圧労働に耐え,そのなかで規律,守秘義務(口の堅さ),機敏さ,寛容,自己犠牲,社会性,勤勉さ,信念の堅さ,率直さ,責任感,誠実さを体得している。まさに,こうした資質こそが共産主義運動が求めるものであり,したがって女性こそが「革命の鉄柱(iron pillars for revolution)」なのだ。

この女性の革命性を実証したのが,人民戦争だ。人民戦争は,ジェンダーに関わりなく,能力のある者に活動の機会を与えた。女性たちは,拷問,レイプ,拉致,拘禁,虐殺にもかかわらず勇敢に戦ってきた。

その結果,女性は,銃後の男性支援から革命運動の前面に出て,フルタイム活動家になっていった。夫が入党すると妻がそれを支援するという形から,女性を入党させると,家族が目覚め党活動に参加するという形に変わってきた。そこで,積極的に女性を党活動に参加させるようにした。「1地域に1組織,1家族に1党員」が女性組織のスローガンだ。

女性は,長い間二重の抑圧(階級支配と性支配)を受け,したがって,本来なら男性よりも堅固なプロレタリア精神を持ち,革命を新民主主義から社会主義へ,そして完全な解放である共産主義へと押し進めていくことが出来るはずである。

しかし,残念ながら,女性は戦場では強いが,まだ理論的,イデオロギー的には弱い。たとえば,これまで女性は女性組織で働くことを好んだ。しかし,これではいけない。

女性は,もっとイデオロギーを学び理論武装すれば,「運動により深くコミットし,党浄化(cleansing the Party)のための極めて重要な役割を果たすことができる」(p4)。

だからこそ,党は女性を幹部としてもっと登用せよ,とパルバティ同志は要求する。そして,女性自身も党活動を目指すべきである。なぜなら「反革命は党組織から始まり,他の諸領域に拡大する」(p3)からである。「不断の粛正運動」による「党浄化」,これこそが女性,つまりはパ同志の任務なのだ。

スゴイ! 帝国主義の「鉄の女」はサッチャーだったが,ネパール「革命の鉄柱」の主柱はもちろんパルバティ同志だ。がんばれ,パ同志!