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  パルバティ同志,ヒシラ・ヤミ(2b)
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 No.070713001421618228    07/07/13(Fri) 00:14   by  tanigawa [変更] [削除]
3.戦争と軍隊と女性解放

(1)解放としての戦争と軍隊
軍隊,特に近代的軍隊は,絶望的境遇にある人々にとって,しばしば解放への希望となる。古代では奴隷は軍隊で大活躍することにより解放されることがあったし,戦前の日本では貧農の次男以下にとって帝国陸軍は腹一杯食べ,働きにより昇進の可能性のある解放への組織だった。

いやそれどころか,つい最近――

赤木智弘「『丸山真男』をひっぱたきたい。31歳フリーター。希望は,戦争」,『論座』2007年1月号

という文章が発表され,戦前の貧農次三男と同じようなことがあからさまに主張され,世間を驚かせた。フリーター赤木氏はこう述べている。

 「我々が低賃金労働者として社会に放り出されてから、もう10年以上たった。それなのに社会は我々に何も救いの手を差し出さないどころか、GDPを押し下げるだの、やる気がないだのと、罵倒を続けている。平和が続けばこのような不平等が一生続くのだ。そうした閉塞状能を打破し、流動性を生み出してくれるかもしれない何か――。その可能性のひとつが、戦争である。・・・・
 戦争は悲惨だ。
 しかし、その悲惨さは「持つ者が何かを失う」から悲惨なのであって、「何も持っていない」私からすれば、戦争は悲惨でも何でもなく、むしろチャンスとなる。・・・・
 ・・・・国民全体に降り注ぐ生と死のギャンブルである戦争状態と、一部の弱者だけが屈辱を味わう平和。そのどちらが弱者にとって望ましいかなど、考えるまでもない。・・・・
 ・・・・1944年3月、当時30歳の[東京帝国大学法学部助教授]丸山眞男に召集令状が届く。かつて思想犯としての逮捕歴があった丸山は、陸軍二等兵として平壌へと送られた。そこで丸山は中学にも進んでいないであろう一等兵に執拗にイジメ抜かれたのだという。
 戦争による徴兵は丸山にとってみれば、確かに不幸なことではあっただろう。しかし、それとは逆にその中学にも進んでいない一等兵にとっては、東大のエリートをイジメることができる機会など、戦争が起こらない限りはありえなかった。」(p58-59)

偉大な政治思想史家,丸山真男をダシにしたとして評判は芳しくないが,『論座』4月号に各界著名人のコメントが掲載され,さらに6月号で赤木氏がそれらに応えるなど,かなりの反響を呼んでいる。

たしかに赤木氏の議論は少々乱暴だ。が,私には,4月号に反論を掲載した良識派の面々よりも赤木氏の方が現状をより鋭く,あるいは危機感を持って認識しているように思われる。継続的な絶望状況にあっては,状況を流動化させる戦争や目的合理的軍隊はたしかに希望となりうるのだ。たとえそれが,良識派のいうように,偽りの希望だとしても。

まさにそのような解放への希望こそ,ネパール被抑圧人民,特に女性たちが人民戦争と人民解放軍(PLA)に期待したものだった。

日本の良識派の面々は,平和主義の高みから,ニート赤木氏の戦争と軍隊への希望を偽りの希望と切り捨てた。では,日本格差社会のニートの何倍も過酷な絶望的境遇にあるネパール女性たちに対しても,それは偽りの希望だと良識の高みから説き聞かせることができるだろうか?

私は,戦争と軍隊が女性の解放をもたらすとは思わない。革命は銃口から生まれても,女性解放は女性が銃をもつことによっては達成されない。しかし,それにもかかわらず,女性たちの戦争と軍隊への希望は偽りの希望だと良識ぶって説き聞かせる勇気もない。では,どうすればよいのか・・・・?