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  パルバティ同志,ヒシラ・ヤミ(2c)
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 No.070715092359735531    07/07/15(Sun) 09:23   by  tanigawa [変更] [削除]
(2)女性解放としての人民戦争とPLA
ヒマラヤの娘パルバティ同志に,そんなプチブル的迷いはない。軍隊は偉大な差別解消装置であり,「軍事化(militarisation)」により女性は解放される。

パ同志によれば,人民解放軍(PLA)の女性兵士は,男性がいないから仕方なく採用したのでもなければ,単なる戦術として採用したのでもなく,「女性の怒りを解放するための戦略の一部」に他ならなかった。

「PLAは,女性に加えられてきたイデオロギー的,身体的,心理的,社会的,経済的な様々な形態の中世的抑圧から女性を解放した」(p4)。パ同志は,このPLAによる女性解放を6つに分け,具体的に説明している。順に見ていこう。

PLAによる女性の恐怖心,不安の除去。これにより,家庭内の宗教的迷信を除去できた。

封建的女性観の破壊。女性を汚れ,病み,救われない魂と見る封建的女性観を否定した。イデオロギー的,身体的能力の開発により,女性は自分の身体に誇りを持ち,大切にするようになった。

C療能力の向上。PLA参加女性は,党の他組織の女性よりも貧しい階級出身かより抑圧された社会出身。大半が入隊以前は非識字,半識字だった。その女性たちにPLAは学習機会を与え,いまでは彼女らは読み書きできるようになっている。

ぅ献Д鵐澄雫軌蕁支配のジェンダー性,階級性を実践を通して教えた。理論と実践の統一。たとえば「権力は銃口から生まれる」「軍なくして人民は無」「国家権力掌握が最終目標」。(ただし,これらとジェンダーとの関係は私にはよく分からない。)

ダ鐓譴砲ける男女平等。多くの女性兵士が(男性同様)攻撃を指揮し,戦死し,負傷し,拷問され,レイプされ,監禁された。

ι建的男女関係の除去。この部分は面白いので,そのまま引用。
「PLAは封建的男女関係を除去し,科学的健康的男女関係に置き換えた。その結果,宗教,民族,地域の障害をすべて乗り越えた,イデオロギーと愛情に基づく恋愛結婚が可能となった。これはまた伝統的分業も変えた。妻が戦場,夫が銃後というケースもあれば,妻が戦場で指揮官として夫を指揮するというケースもある」(p5)。(「科学的男女関係」は実に興味深い。後で改めて議論したい。)

さて,「パルバティ」が宗教的迷信に由来する名前かどうか私には全く分からないが,少なくともパルバティ同志はそんなことは一顧だにせず,PLAによる宗教的封建的抑圧からの女性解放を手放しで礼賛する。

パ同志によれば,PLAの30〜50%は女性であり,民兵隊(militia)となると女性比率はもっと高い。重要な役割も果たしている。
 女性軍=分隊,小隊,中隊がある。(女性中隊の包囲攻撃はさぞ恐いことだろう。)
 女性コマンダー(正・副)=中隊以下だけでなく,大隊,旅団にもいる。
たしかに,女性進出はめざましい。軍隊の男女平等化だ。

(3)軍事化による全面解放
「パルバティ」が破壊の神シバの妻かどうさえも私は知らないが,マオイストのパルバティ同志は,破壊を使命とするはずの軍隊の論理を全社会に及ぼすべきだと主張する。ここはそのまま引用しておこう。

「党と大衆の全体を軍事化する政策は,女性の軍事化を助長し,こうすることにより永年の差別を除去することになる。事実,この軍事化は,旧国軍のネパール王国軍(RNA)をして,マオイスト女性に対抗させるため,そのイデオロギーに反するにもかかわらず女性兵士の採用を余儀なくさせさえした。軍事的構造の拡大は,女性がその諸能力を様々な分野で発揮できるようにし,またこれにより女性戦闘員が出産後軍組織に戻ることを可能とした。注目すべきことに,女性大衆組織も,女性を民兵隊やPLAに入隊させやすくするため『家庭から前線へキャンペーン』を掲げ,しばしばキャンペーンを行ってきた」(p5)。

これはまたすさまじい。フリーター赤木氏も顔色無しだ。もしいまの日本でこんなことを言えば,ファシスト,軍国主義者,反動・・・・と罵詈雑言の雨あらしだ。生活の全面的軍事化による女性全面開放! フリーター赤木氏がちょっと口を滑らせ「希望は戦争」と言っただけで,袋だたき。とてもじゃないが,こんな恐ろしいことを言う勇気は私にはない。さすが山の神同志だ。

それはともあれ,パ同志によれば,女性は男性よりも不撓不屈であり,秘密をよく守り,戦場から逃げ出すこともない。PLAは女性兵士なしでは戦えない。それなのに,PLAの女性処遇にはまだ問題がある,とパ同志は批判する。特に結婚,出産後の継続が難しい。また,体力の衰えも男性より早く,兵士継続に支障が生じる。そこで,パ同志はこう主張する――

「それゆえ,適切な健康ケアを行い,男女には家族計画ができるようにすべきだ。また,党はPLA内女性リーダーシップ確立への障害を除去すべきである」(p6)。

ここまでくると,恐怖を覚える。これぞまさしくフーコーらのいう「生権力」ではないか。党が人々の健康や性生活までも管理し,女性(と男性)を戦争と党活動に全面動員する。

パ同志は,何を学び,こんな議論を組み立てたのだろうか? もし人民戦争の実践の中から,女性の生(性を含む)の全面動員の理論を構築したのだとすると,それはパ同志の才能をよく実証するものの,それだけにかえって空恐ろしい。

パ同志の女性解放論は,完全な男女平等のかわりに,女性(と男性)が国家のために性生活を行い,国家のために子供を産み,国家が国家のために子供を育てるプラトンの理想国家まで,あと一歩だ。