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  官厚民薄予算案,王室予算も計上
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 No.070716134616034872    07/07/16(Mon) 13:46   by  tanigawa [変更] [削除]
2007/08年度予算案が7月12日発表された。暫定政府の本音を探る絶好の資料だが,マハト蔵相の予算演説はA4で41ページもあり難解,とてもじゃないが素人の私には解読できない。そこで安直に新聞報道により特徴を見ていくことにする。

1.安直予算案
まず驚くのが,予算案提出が12日,成立予定が16日。実質審議なしだ。いくら11月22日までの暫定予算とはいえ,ちょっと乱暴では? 公務員給与引き上げだけは17日実施と抜け目がないのに。

2.閣内不統一,無能マオイスト大臣
この予算案は,政府提出(以前は国王提出)。ということは,8党,特に大臣を5名も出しているマオイストも,当然事前了解しているはずだ。20大臣の内マオイストは,K.B.マハラ情報相,D.P.グルン地方開発相,M.P.ヤダブ森林・土壌保全相,ヒシラ・ヤミ公共事業相,K.B.ビシュワカルマ女性子供福祉相。いくら立派な「博士」とはいえ,NCのマハト蔵相が勝手に予算案を作成し,提出したわけではあるまい。

それなのに,マオイストを筆頭に,不平たらたら。マオイストは「いかさまだ」と声高に叫んでいるが,内閣の1/4の大臣を占めていて騙されたのなら,それは無能の証明,政治家失格だ。「cheat」はネパール常套句だが,政治業界内では騙される政治家の方が間抜けなのだ。

3.王室費計上
王室費については,13日新聞各紙は「王室費ゼロ」とハデに報道したが,現に存在するものに予算ゼロはないだろう。本当かなぁ,とちょっと調べれば分かるのに,朝日をはじめ各社が大活字でセンセーショナルに報道し,あとは知らん顔だ。

暫定憲法は,王制を棚上げし,存廃は制憲議会選挙後の初回会議の単純多数決で決定すると明記している(第159条)。王制はまだ廃止されておらず,棚上げ状態で,国王も王族も事実として存在する。

ただし,国家機関としては憲法上明記されていないので,そこに予算計上はできないのは当然(第92条)。そこで,内閣府予算から支出することにしたわけだ。

M.K.ネパールUML書記長が,「政府は刑務所囚人にも予算をつけなければならないから,王室予算も当然だ」と語ったが,リーガルマインドがあれば,こんなことはあたりまえだ。同じ共産党でも,この点ではマルクス・レーニンの党がマオの党よりもまともだ。ネパール氏はこのところ落ち目だが,久し振りに存在感を示した。

詳細は分からないが,新聞報道では,王室費は次の通り。
  王室費     4500万ルピー
    国王・王族手当 2500万ルピー(昨年度3270万ルピー)
    王宮管理費   2000万ルピー
  王宮職員手当  8000万ルピー 
    計     12500万ルピー

一方,国王・王族財産の国有化経費も,きちんと計上されているから,これを見れば,こと王室に関しては,政府方針は守られていることになる。5大臣もいるのだから,マオイストも賛成していたと見るべきだ。「だまされた」などと泣き言を言わないこと。天下に「間抜け」を告白することになってしまう。

4.お手盛り水ぶくれ予算
政治変動期で得をするのは,声の大きい勢力や実権を持つ人々。今回も大盤振る舞い。総予算は,昨年度の17.4%増,昨年度実績に対しては28.2%増。大丈夫かな? 

そして,この水ぶくれ予算の行き先は――
(1)公務員=給与27%,年金10%の引き上げ。しかも,7月17日実施。
(2)治安関係=警察95.9億ルピー,軍108.9億ルピー
(3)平和基金=10億ルピー。マオイストPLA関係費。
(4)選挙関係=35億ルピー
(5)農業関係=58.2億ルピー(対前年47.3%増)
 ▼ 所得税=10%程度引き上げか?

会計に疎いのでよくは分からないが,(1)〜(4)のどれ一つとして国民生活を積極的に向上させるものではない。(5)も地方の現状を考えると,執行は怪しい。全体としてみると,水ぶくれ官厚民薄予算といってよいだろう。

5.国王は予算返上を
王制との関係でいうと,国王はこんな端金なんか自主的に辞退した方がよい。

日本の皇族も,江戸時代には京でそれは貧しい生活をしていた。金も権力もない。あるのは名のみ。それでも耐え忍び,今日まで生きのび,いまや歴史上,最後まで残る王室(皇室)の一つとされている。

いま7+1政党は,シャハ王家の遺産(正負両遺産)を食いながら権力維持している。食いつぶしたとき,どうなるか? どうなろうと,それは自業自得,見ているより仕方ない。

そこで,王室が生き残りたいのであれば,金も権力も自ら率先して放棄することだ。そうすれば,ギャネンドラ国王,パラス皇太子の退位は避けられないだろうが,王制の存続の芽が出てくる。国王が自転車でバザールに買い物――そんな王室になれば,「まぁ,あってもよいか」ということになるにちがいない。

6.ネパール民主共和派は日本天皇制批判も
これは日本天皇家も同じだ。雅子さんを見れば分かるように,今のような非人間的な人権抹殺体制がいつまでも続くはずがない。しかも,アナクロ安倍首相を筆頭に,天皇主義者たちは天皇を政治的に利用し,反動教育(日の丸・君が代教育の凄まじさを見よ),軍国主義化を着々と押し進めている。現状では,日本の天皇制は明らかに危険な方向にむかって逆行している。こんな反動的天皇制は廃止すべきだ。

日本天皇制も,生き残りを願うなら,ヨーロッパ王室のように,君主でも気軽に自転車で買い物に行くような制度に変えていかなければならない。むろん,そうすれば,天皇と一般市民とが限りなく接近していき,いずれは天皇制そのものが静かに消えていくことにはなるであろうが。

日本で,そのような天皇制自然消滅への地道な努力をせず,ネパール王制について云々することは,本来なら出来ないはずだ。出来ないはずだから,努めて反動的天皇制批判をするように努力はしているが,これは小心者の私には少々荷が重い。ネパール民主共和制を応援されている方々には,その鋭い舌鋒をもって日本の反動的天皇制批判の陣営にはせ参じていただきたいと願っている。

* Kathmandu Post, KOL, Nepalnews.com, 12-14 Jul.