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  餓死の自由とルピー高
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 No.070828222632534006    07/08/28(Tue) 22:26   by  tanigawa [変更] [削除]
ネパールは経済学の教科書のようだ。人民は経済外的強制から解放され,自由な労働者になりつつあるが,これは餓死への自由であり,これがいまのルピー高を支えている。皮肉なものだ。

カースト制は,ダリットはいうに及ばず,経済の論理以外の理由により人々を拘束している。下位カーストも上位カーストも自由な個人ではなく,カースト規制の続く限り,資本主義の発展はあり得ない。

そのカースト制が急速に弛緩し,人々は移動の自由,職業選択の自由を得つつある。逆に言えば,雇用者側は保護下の人々を自由にクビにし,経済合理性を追求してもよいのだ。こうしてカースト的保護を失った大量の失業者が生まれる。餓死の自由こそ資本主義発展の条件だ。

それでも国内に仕事があればまだよいが,ネパールにはそれがないので,3K覚悟で海外に出稼ぎに出ざるを得ない。新聞には連日海外出稼ぎ広告が出ている。世界的企業は,ネパール人出稼ぎ労働者を安価で使い捨てにすることによりぼろ儲けをしている。

この海外出稼ぎ労働者が大量の外貨をネパールに持ち込む。ネパールルピーはインドルピーと連動しており,インドルピー高が直接の原因とは言え,そうした出稼ぎ送金がなければ,いまのネパールルピー高はあり得ない。

海外から持ち込まれた大量の外貨は,他に投資先がないので,不動産投資に向かう。カトマンズはいま大変な建設ブーム。一見華やかだが,その背後の出稼ぎ労働を思うと心穏やかではいられない。

カースト的保護を奪うのであれば,それに代わるべき国内雇用の拡大は不可欠だ。餓死の自由を与えるだけの解放では,ネパール社会の安定は期待できない。

●海外出稼ぎ:月約4万人(公式2万人,非公式約2万人),昨年比16%増
       湾岸諸国,マレーシアなどへ
●貿易収支赤字:739億ルピー(2004),毎年増加中

* The Himalayan Times, 28 Aug.; Kathmandu Post 28 Aug.

写真(上):建設中の高層ビル(タメル)
写真(中):ビル1階の両替屋
写真(下):交換レート表