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  人間疎外,物価高,株高
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 No.070911140728316726    07/09/11(Tue) 14:07   by  tanigawa [変更] [削除]
ネパールの人には悪いが,いまのネパールは経済学や政治学の実習地として最適だ。来年度の政治学演習はネパールとしたい(夢だが)。

1.人間関係の貨幣化
たとえば,人間疎外。スーパーが出現するまでは,たいていの買い物は値段交渉で行った。売買は値段交渉を通した濃密な人間関係,人格的関係で成否が決まった。商店はむしろ社交場だった。資本主義化した日本から来た私にとって,それは何よりも面白い体験だった。ちょっとした買い物が目的だったはずなのに,値段交渉しているうちに,買い物より話しの方が主となってしまったという経験が日常的にあった。

ところが,十年ほど前のスーパーの出現により,商品に値札がつき,売買は貨幣を媒介とした物のやりとりとなってしまった。人間疎外,人間関係の貨幣化だ。

今回,さらに驚いたのは,ペットボトル・コーラや紙パック・ジュースに,定価が最初から印刷されるようになったことだ。資本主義の先兵コーラ帝国主義は,ネパールの濃密な人間関係を資本主義化の障害と見なし(この認識は正しい),これを破壊し,人間関係の貨幣化を押し進めようとしているのだ。

事実,ジャマルの商店で初めてペットボトル・コーラを買い「はい,32ルピー」といわれたとき,「ちょっと高い,まけられへん」と交渉しようとしたら,店主は「ここを見よ,32ルピーと書いてある」と断固いい放った。店主との人間関係は定価表示により瞬時に絶たれ,貨幣化されてしまった。売買から人格的要素を排除し貨幣化することによって合理化するという,資本主義の要請に見事に応えている。定価印刷の威力だ。恐るべし,コーラ帝国主義!

2.物価高,株高
貨幣化の始まったカトマンズは,金余りで大変な物価高,ルピー高。先日,王宮前の喫茶店に行ったら,100ルピー以下のものはほとんど無く,仕方なく100ルピーのバナナラッシーだけを飲んで退散した。この店の客はほとんどネパール人。流行っている。

金はだぶつき,行き場を求め,不動産から株に向かっている。大変な株高だ。十数年前(もう少し前か),株式取引所開設というのでディリーバザールに見に行った。貧相なもので,銀行など上場も数えるほどだった。そのころ10万円ほど投資しておれば,いまは大金持ち。コーラをラッパ飲みできたのに,残念!

3.安い日本レストラン
少なくとも外人むけレストランは,めちゃくちゃ高い。大学食堂と同等か,ファミレスなみ。豪華ホテルはトイレ拝借だけなので不明。

外人租界タメル付近では,いまや日本レストランが一番安い。安さゆえに,日本食を食べる。客もネパール人や西洋人が多い。かつては日本レストランは高くて入れなかった。隔世の感。

そんな中,さる方に連れて行ってもらった小料理店は,比較的安く美味かった。チベット料理のツクパが40ルピー前後。薄味のラーメンかソーメンのようなこの料理は,淡泊な日本人には向いている。3回目なのに,女店主はもうニコニコ,2ルピーまけてくれた。人格的関係の成立。うれしいなぁ。

写真は,その小料理屋の入り口。女性は隣のお店の売り子さん。借景であり,本論とは無関係。