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  ネパール行政文化を楽しむ
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 No.070915165543582560    07/09/15(Sat) 16:55   by  tanigawa [変更] [削除]
昨日,何回も確認し,案内にもそう書いてあるのに,イミグレはやはり10時には開かない。「ルール,約束を守らない」。これこそ伝統的ネパール行政の神髄だ。一日開かないことを半分期待しつつ待っていると,10時半頃からボツボツやってきて,だらだら仕事を始めた。30分もすると,もうフルーツ・タイム。申請者を立ったまま待たせ,中では果物を食べ,おしゃべり。これは愉快だ。

そこに半公認仲介やさんが約十人。「すぐやりまっせ!」と声をかける。これも実によい。ヒマラヤ遊覧飛行に何万円も出すより,イミグレ見学をしよう。

しかし,これに対し「ケシカラン」と怒るのは,濃厚味ネパール文化を知ろうとしない近代西洋人の傲慢だ。伝統的ネパール行政文化は,伝統的ネパール社会の文脈の中では,極めて合理的な仕組みである。

昨日も書いたように,時間の有り余っている大多数の人々は手数料を「時間」で払い,逆に時間はないが金はある人は「金」で手数料を払う。この金は仕事にあぶれている人の日当となり,失業救済,生活保障となる。何と合理的か!

この仕組みは社会全体に構造化され,これによりこの狭い国土で多くの住民が生活することを可能にしてきた。たしかアマティア・センがいっていたが,インド(ネパール)では近代化(西洋化)が始まるまでは大規模な飢饉はなかったのだ。これだけでも,伝統的社会の偉大さは十分に証明されている。

それなのに,先進国は浅薄な近代合理主義でこの人格的人間関係を破壊し,貨幣化し,人間をモノとして売買しようとしている。西洋人権運動家たちは人身売買は野蛮だと非難攻撃するが,グローバル資本主義こそが人身売買の仕組みではないか。ウソだと思う人は,日本援助のトリブバン空港へいってみよ。毎日のように,飛行機など見たこともないような地方の青年多数が,現代版奴隷商人に引率され,飛行機で中東などに売られていく光景を目にすることが出来る。アフリカの人々を奴隷として商品化し新大陸(これも先住民を虐殺して奪取したもの)に送り込んだのは,西洋人たちだった。アメリカ主導の先進諸国は,同じことをしている。ネパールの近代化,民主化は,伝統的社会を破壊し,商品としての労働者を創り出すためだ。ベンジャミン・フランクリンかだれかが,

Time is money.

と誇らしげに宣言した。何と浅薄な貨幣文化か! ネパールでは,決して「時は金なり」ではなかった。こんな非人間的思想は古代ギリシャでも軽蔑されていた。「時間」をもたないのは奴隷,自由な人間は時間を持つ。だから

 schole=暇=学問=学校

だったのだ。いま,ネパールの本屋さんが急速に劣化している。大規模書店以外の中小書店から,まともな本が消えつつある。また,以前は客待ちの人力車(リキシャ)車夫が新聞を読んでいる光景をよく目にし,この国の文化レベルの高さに感動したものだ。いま,そんなことをしている車夫やタクシー運転手はまず目にしない。彼らも「時間」を奪われ,新聞を読んでいる暇が無くなったのだ。

その古き良きネパール文化がまだ残っているのがイミグレだ。ネパールに来たら,ヒマラヤや寺より先にイミグレ見学に行こう。

が,残念なことに,文化は野蛮には勝てない。凶暴な資本主義の洪水に,いまネパールは呑み込まれ,押し流されつつある。はたしてこれはネパールの人々にとって,そして世界の人々にとって,幸せなことか?

結局,野蛮な先進国人の本性をむき出しにし「早くつくれ!」と恫喝し,12時半頃,発行させた。あとで,非文化的な行為を深く恥じた次第。でも,やはり腹が立ったなぁ。

(写真1)イミグレの庭に咲く花。文化の香りがする。
(写真2)ティージの大舞踏会(旧王宮)。こんな暇人の時間つぶしも,いずれ無くなるだろう。